大規模成長投資補助金の申請支援、費用の相場と選び方
更新日:2026-10-09|公募要領の確認日:2026年10月9日|補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。
要点(30秒まとめ)
- この制度の公募要領は、外部の助言を受けることは認めたうえで、成長投資計画書は申請者自身で作成するよう求めています。
- 2次審査のプレゼンテーションは経営者の出席・説明が必須で、外部コンサルティング会社等は同席できません。
- 申請のためのコンサルタント費用は補助対象外です。支援の費用は自己資金で払う前提になります。
- 支援費用の相場は公表されていません。比べるのは金額より、支援の範囲と成功報酬の基準額です。
- 採択されても経費は交付申請で精査され、減額や全額対象外もありえます。成功報酬がどの金額に掛かるかで、払う額は大きく変わります。
この記事で扱うこと
中堅・中小企業の大規模成長投資補助金は、投資額20億円以上(100億宣言企業向けは15億円以上)を対象にした、補助上限50億円の制度です。 計画が大きく審査も2段階あるため、外部の支援を検討する会社は多いはずです。 この記事は、この制度の公募要領が外部支援について何を決めているかを原文で確かめ、 頼めること・頼めないこと・費用の見方を整理します。 制度を問わない「誰に頼むか」の整理は 補助金の申請は誰に頼むのかに、行政書士の業務の範囲は 行政書士に頼むと何をしてくれるのかに書いています。
引用はすべて6次公募の公募要領(2026年8月28日更新版)と、事務局の「よくある質問」です。 次回の公募では内容が変わることがあるので、申請する回の公募要領で必ず確かめてください。
公募要領が決めている「頼めること」と「頼めないこと」
出発点は、公募要領の冒頭にある次の一文です。
成長投資計画の検討やブラッシュアップのために外部支援事業者(コンサルティング会社等)の助言を受けることは差し支えございませんが、成長投資計画書は申請者自身で作成してください。
つまり、外部に頼めるのは助言までで、計画書を書くのは自社です。 しかも、本人が中身を理解していないことは2次審査で分かる仕組みになっています。
プレゼンテーション審査の場において、申請内容や成長投資計画に対する事業者本人の理解が著しく不足したまま申請が行われていると判断された場合には、審査上大幅に不利になります。
| 外部に頼みたいこと | 扱い | 公募要領の根拠 |
|---|---|---|
| 成長投資計画の検討・ブラッシュアップへの助言 | 頼める | 外部支援事業者の助言を受けることは「差し支えございません」と明記(PDF 3ページ) |
| 成長投資計画書そのものの作成 | 頼めない | 「成長投資計画書は申請者自身で作成してください」(PDF 3ページ) |
| プレゼンテーション審査への同席 | 頼めない | 外部コンサルティング会社等は、経営顧問などの形でも同席不可。発覚すると不採択・取消の可能性(PDF 21ページ) |
| 電子申請の操作・GビズIDの共有 | 頼めない | 代理申請は不正アクセスとして一切認められない。ID・パスワードを外部支援者に開示しない(PDF 20ページ) |
| 成長投資計画書以外の申請書類を、報酬を払って作ってもらう | 相手は行政書士に限られる | 行政書士でない者が有償で申請の作成を行うと、行政書士法違反の可能性・交付決定取消の可能性(PDF 3ページ) |
プレゼンテーション審査には同席できない
2次審査は、経営者自身が成長投資計画を説明し、外部有識者と質疑応答をする形です。
経営者の出席・説明が必須です。経営者の出席・説明がなされない場合、審査上不利になる可能性があります。
主たる申請者、共同申請者以外(外部コンサルティング会社等)のプレゼンテーション審査への同席は認められません。
なお、外部コンサルティング会社等の関係者が経営顧問などの形で同席することも認められません。発覚した場合には不採択又は交付決定の取消となる場合がありますのでご留意ください。
例外は金融機関・ファンド等です。「金融機関・ファンド等による確認書」か「出資・融資の表明書」を出した申請者は、 その担当者の同席が認められています。事務局のよくある質問は、書類を出していても担当者が同席しないと 審査基準の実現可能性の評価で不利になる可能性がある、と答えています。 外部支援を選ぶときに、当日その場にいられるのは誰かから逆算しておくと、支援に求める中身がはっきりします。
電子申請は自社で行う
代理申請は不正アクセスとなるため、一切認められず、当該申請は不採択となる上、以後の公募において申請を受け付けないことがあります。
本アカウント及びパスワードを外部支援者等の第三者に開示することは、GビズIDの利用規約に反する行為であり、トラブルの原因となり得ますので、ご注意ください。
書類を報酬を払って作ってもらうなら、相手は行政書士
行政書士(又は行政書士法人)でない者が、申請者に代わって有償で申請の作成を行うことは、行政書士法違反に該当する可能性があるほか、交付決定後に行政書士(又は行政書士法人)以外が申請の作成を行ったことが判明した場合、交付決定の取消となる可能性があります。
成長投資計画書は、相手が誰でも自社で書く書類です。それ以外の申請書類を報酬を払って作ってもらう場合は、 相手が行政書士(又は行政書士法人)かどうかを最初に確かめてください。 法改正の内容は 2026年施行の改正行政書士法の解説にまとめています。
支援の費用は、補助金では賄えない
外注費と専門家経費の両方に、同じ注記が付いています。
応募申請時の成長投資計画の作成に要する経費は補助対象外となります。
専門家経費とは、本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費であり、本補助金申請のためのコンサルタント費用は補助対象外です。
補助対象外の経費の一覧にも、次の行があります。
報告書等の基金設置法人又は事務局に提出する書類作成・申請に係る費用
申請の支援も、採択後の報告書づくりの支援も、補助金の外で自己資金から払うことになります。 事業者が行うべき手続きを外部に任せる費用も、外注費の対象にはなりません(PDF 15ページ)。 投資額が大きい制度ほど支援費用も大きくなりがちなので、資金計画の段階で別枠で見込んでおくのが安全です。
相場の金額を書かない理由と、比べ方
公募要領とよくある質問には、申請支援の費用の目安は書かれていません(2026年10月9日確認)。 公的に集計された数字が無いので、この記事では金額を書きません。 一方で、公募要領は報酬の取り方について注意を書いています。
計画の実現可能性等を踏まえず補助金獲得のみを目的として申請支援を行う業者や、提供するサービスの内容とかい離した高額な成功報酬を請求する悪質な業者等にもご注意ください。
金額を横に並べる前に、見積の前提をそろえてください。この制度で差が出やすいのは次の2点です。
1. 支援がどの段階まで続くか
この制度は、採択で終わりではありません。採択後に交付申請で経費が精査され、交付決定のあとに発注し、 事業が終わったら実績報告、さらに基準年度の終了後から3年間(計4回)の事業化・賃上げ状況の報告が続きます。 見積が申請までなのか、採択後のどこまでを含むのかで、同じ金額でも中身はまったく違います。 各段階の時期は 大規模成長投資補助金のスケジュールにまとめています。
2. 成功報酬が、どの金額に掛かるか
採択された時点の補助金申請額は、そのまま受け取れる金額ではありません。公募要領の冒頭にこうあります。
精査の結果次第では、交付決定額が、応募申請時に計上している補助金申請額から減額又は全額対象外となる場合もあります。
確定額(精算額)は、交付決定額に至らない場合もあります。
交付決定額は、補助金交付候補者の採択決定時点の補助金申請額を上回ることはできませんのでご注意ください。
金額は「採択時の申請額 ≧ 交付決定額 ≧ 確定額」の順に小さくなりうる、ということです。 成功報酬が採択時の申請額に掛かる契約だと、実際に受け取る補助金より大きい金額を基準に報酬を払うことがあります。 また、補助金の支払いは原則として事業完了後の精算払です。報酬を払う時期と、補助金が入る時期のずれも、見積の段階で確かめておきたい点です。
支援先を選ぶ前に確かめる7点
- 成長投資計画書は自社で書く前提の支援か(助言・ブラッシュアップの範囲か)。契約書にその言葉で書かれているか
- プレゼンテーション審査に支援者は同席できない。経営者が自分の言葉で説明できるところまで準備を手伝う内容になっているか
- 成功報酬は、どの金額(採択時の申請額・交付決定額・確定額)に対して何%か。いつ払うか
- 支援の費用は補助対象にならず、自己資金で払うことを前提に資金計画に入れているか
- 電子申請の操作やGビズIDの管理を相手に任せる話になっていないか
- 採択後の交付申請・実績報告・事業化報告(3事業年度分・計4回)まで付き合うのか。追加費用はいくらか
- 成長投資計画書以外の書類を報酬を払って作ってもらうなら、相手が行政書士(又は行政書士法人)か
どの点を満たしても、それで採択が決まるわけではありません。審査は計画の中身で行われます。 交付決定の前に発注してはいけない手続きの順番は 交付決定前に発注してはいけない理由で確認してください。
自分で書く場合の準備
計画書は自社で書く制度なので、外部に頼むかどうかにかかわらず、審査の観点に沿って材料を揃えるところから始まります。 審査項目と章立ては 大規模成長投資補助金の事業計画の書き方で、制度の概要は 制度ページで整理しています。 自分で書く前に、審査の観点に照らして計画の不足点を洗い出す分析資料として、論点整理レポートもご用意しています。 申請書・計画書はお客様ご自身で作成いただく前提のサービスです。
よくある質問
Q. 大規模成長投資補助金の申請支援の相場はいくらですか?
A. 公募要領とよくある質問には、申請支援の費用の目安は書かれていません(2026年10月9日確認)。公的に集計された数字が無いため、この記事では金額を書きません。比べるときは、支援の範囲(助言だけか、採択後の手続きまでか)と、成功報酬の基準額(採択時の申請額・交付決定額・確定額のどれか)をそろえて見積を並べてください。
Q. 申請支援のコンサルタント費用は、補助金の対象経費に入れられますか?
A. 入れられません。公募要領は外注費・専門家経費のどちらについても「応募申請時の成長投資計画の作成に要する経費は補助対象外」としており、事務局のよくある質問も「本補助金申請のためのコンサルタント費用は補助対象外」と回答しています。
Q. プレゼンテーション審査に、支援してくれたコンサルタントに同席してもらえますか?
A. できません。主たる申請者・共同申請者以外(外部コンサルティング会社等)の同席は認められず、経営顧問などの形で同席することも認められません。発覚した場合は不採択又は交付決定の取消となる場合があります。例外は、確認書や出資・融資の表明書を提出した金融機関・ファンド等の担当者です。
確認した一次情報(確認日:2026年10月9日)
- 中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(6次公募)公募要領(2026年8月28日更新版)
https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/assets/documents/common/youryou_6ji.pdf - 大規模成長投資補助金 事務局「よくある質問」
https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/faq/ - 大規模成長投資補助金 事務局サイト(お知らせ・募集概要)
https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/
この記事の位置づけ
自分で書く前に、計画の不足点を確かめる
制度の審査の観点に照らして、現状の分析と計画の不足点をお出しします。申請書はお客様ご自身で作成いただきます。