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中堅・中小企業の大規模成長投資補助金の事業計画の書き方6つの審査の観点と、経営者自身のプレゼンテーションを踏まえた章立て・落ちやすい点を整理

更新日:2026-09-19補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。

この記事でわかること

  1. 1 この制度で審査・確認されること(6つの審査の観点/数値要件)
  2. 2 書く前に揃える材料(要件と材料の対応表)
  3. 3 成長投資計画書の章立てと、各章で答える問い(経営者自身のプレゼンテーションを含む)
  4. 4 落ちやすいポイント
  5. 5 よくある質問/自分で書く人の次の一歩

6次公募(2026年7月31日〜2026年8月31日17:00)は締切済みです。 次回公募の日程は、2026年9月19日時点で公表されていません。次回の日程は公表され次第、公式サイトでご確認ください。5次公募は応募198者のうち 77者が採択されました。この記事は 6次公募の公募要領・審査項目と公式サイトを2026年9月19日に確認して書いています。 数値・要件は公募回ごとに変わることがあるので、申請前に必ず公式サイトで最新版をご確認ください。

1. この制度で審査・確認されること

中堅・中小企業の大規模成長投資補助金は、工場や物流拠点の新設・増築、自動化による生産性向上など、 規模の大きい投資を通じて労働生産性を高め、賃上げにつなげる取組を支援する制度です。 6次公募の公募要領によれば、審査項目は次の6つに分かれます。

経営力

5〜10年後のありたい姿と今後3〜5年の事業戦略が論理的に構築され、補助事業が組み込まれているか。成果目標の管理体制とガバナンス、資金計画とリスク分散が検討されているか

先進性・成長性

マーケットの規模とニーズ検証が明確で、成長率が関連市場全体の伸びを上回るか。競合分析に基づく模倣困難性があるか。労働生産性の抜本的向上と人手不足の改善につながるか

地域への波及効果

給与支給総額と雇用が増加し、賃上げ要件の水準を上回るか。地域内の取引先への波及とサプライチェーンのレジリエンスが考えられているか

大規模投資・費用対効果

収益規模に応じたリスクをとった投資か(売上高に対する設備投資比率)。補助金額に対する付加価値増加額が大きいか。従前より一段上を目指す行動変容が示されているか

実現可能性

実施体制、財務状況(ローカルベンチマークの総合得点)、遂行方法とスケジュール、金融機関・ファンドのコミットメントがあるか

補助金の必要性

自己資金や金融機関からの調達のみでは実現が困難で、真にこの補助金による支援が必要な投資か

様式の項目名や審査項目の細目は、この記事では扱いません。公募要領でご確認ください。

1-1. 主な数値要件

  • 常時使用する従業員 2,000人以下
  • 投資額の下限 20億円以上(100億宣言企業は15億円以上。いずれも外注費・専門家経費を除く税抜)
  • 賃上げ:補助事業終了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率 5.0%以上(100億宣言企業は4.5%以上)
  • 補助上限 50億円、補助率 1/3以下
  • スタートアップ枠は設立20年以内

数値要件は公募回により変動します

ここに挙げた数値は6次公募要領にもとづくものです。投資額の下限・賃上げ要件などは公募回ごとに 見直されることがあるため、申請する回の公募要領で必ず確認してください。

1-2. 書面審査に加えて、経営者自身によるプレゼンテーション

この制度は、書面審査だけで終わりません。書面審査を通過すると、経営者自身が計画を説明し、 外部有識者と質疑応答を行うプレゼンテーション審査に進みます。役員や事業責任者が経営者に 代わって説明する前提では作れない制度です。この点は第3章で章を割いて扱います。

1-3. 加点措置(14種)

該当すれば加点される措置が14種あります。ここでは該当し得るものの案内に留め、 自社が取得済み・該当すると断定した書き方はしません。

  • 中小企業から中堅企業への移行
  • AXに向けた取組
  • J-Startup
  • 17戦略分野
  • 地域未来戦略クラスターの核となる企業
  • 本社機能の地方移転
  • 既存工場跡地の活用
  • えるぼし・くるみん
  • 健康経営優良法人
  • 地域未来牽引企業・パートナーシップ構築宣言
  • 金融機関の確認書
  • 金融機関等による出資・融資の表明書(大幅加点)
  • 地域企業経営人材マッチング
  • ファミリーガバナンス

2. 書く前に揃える材料 — 要件と材料の対応表

書き始めてから材料を探すと、途中で止まります。要件のひとつひとつが「どの材料で証明されるか」を 先に対応づけておくと、足りない材料が書く前に分かります。

審査・確認される点なぜ見られるか用意する材料
経営力:5〜10年後のありたい姿と3〜5年の事業戦略審査の1つめの観点。今回の投資が、その戦略の中にどう組み込まれているかを見られるありたい姿から逆算した事業戦略のメモ、成果目標の管理体制・ガバナンスの整理、資金計画とリスク分散の考え方
先進性・成長性:市場規模・ニーズ検証・模倣困難性・労働生産性成長率が関連市場全体の伸びを上回るか、競合に模倣されにくいかが見られる市場規模の調査資料、顧客ニーズを確かめた記録、競合の一覧と自社の位置づけ、労働生産性の現状と向上の根拠
地域への波及効果:給与支給総額・雇用の増加、サプライチェーン賃上げ要件の水準を上回るか、地域内取引先への波及があるかが見られる給与支給総額・雇用者数の現状と見込み、地域内取引先の一覧、サプライチェーンのレジリエンスに関する取組
大規模投資・費用対効果:設備投資比率・付加価値増加額収益規模に対してリスクをとった投資か、補助金額に見合う付加価値増加額かが見られる売上高に対する設備投資額の比率の試算、投資前後の付加価値額(営業利益・人件費・減価償却費)の見通し
実現可能性:実施体制・財務状況・スケジュール・金融機関のコミットメント計画倒れにならず、実行できる体制と資金があるかが見られる実施体制図、ローカルベンチマークの入力・スコア、遂行方法とスケジュール、金融機関・ファンドとの調整状況
補助金の必要性:自己資金・借入のみでは実現が困難であること他制度と違い、独立した審査項目として置かれている自己資金・借入余力の試算、この補助金が無い場合に投資の規模・時期がどう変わるかの比較
従業員数2,000人以下・投資額20億円以上(100億宣言企業は15億円以上)申請資格そのものの前提条件(投資額は外注費・専門家経費を除く税抜)常時使用する従業員数の実態、対象経費の見積り(下限に届くかの試算)
賃上げ:補助事業終了後3年間の年平均上昇率5.0%以上(100億宣言企業は4.5%以上)必須要件。地域への波及効果の審査でも、この水準を上回るかが見られる賃金台帳、従業員数の推移、投資で増える利益をどう配分するかの3年分の計画
加点措置(14種)該当すれば加点される。取得済み・該当と断定できないものは書かない該当し得る認定・表明・取組の状況の洗い出し(下表)

材料が足りているか、先に確かめたい方へ

当サービスの論点整理レポートは、この制度の審査の観点に照らして、いまの材料で何が足りないかを整理した分析資料です。 申請書はご自身で作成いただきます。作成例を見るこの制度のページ

3. 成長投資計画書の章立てと、各章で答える問い

ここでは「書き写せる文例」は載せません。文例をなぞった計画は、審査する側から見るとすぐに分かりますし、 自社の取組の説明にならないからです。代わりに、各章で答えるべき問いを置きます。 問いに自社の言葉で答えていけば、章が埋まります。章立ては6つの審査項目に沿い、最後に経営者自身の プレゼンテーションの章を置いています。

1経営力:ありたい姿と事業戦略

  • 5〜10年後、自社はどのような状態でありたいか
  • そのために今後3〜5年でどのような事業戦略をとるか。今回の補助事業はその戦略のどこに組み込まれているか
  • 成果目標をどのような体制・ガバナンスで管理するか
  • 資金計画はどうなっていて、リスクはどう分散しているか

2先進性・成長性:市場と競合

  • 市場の規模とニーズを、どのように検証したか
  • 自社の成長率は、関連市場全体の伸びを上回っているか。その根拠は何か
  • 競合分析にもとづき、模倣されにくい理由は何か
  • 労働生産性はどのように抜本的に向上し、人手不足の改善につながるか

3大規模投資の内容と費用対効果

  • 何にいくら投資するか。収益規模に見合った、リスクをとった投資と言えるか
  • 補助金額に対して、どれだけの付加価値増加額を見込むか
  • これまでより一段上を目指す行動変容と言えるのはどこか

4地域への波及効果

  • 給与支給総額と雇用はどれだけ増加するか。賃上げ要件の水準をどれだけ上回るか
  • 地域内の取引先にどのような波及があるか。サプライチェーンのレジリエンスをどう高めるか

5実現可能性

  • 実施体制はどうなっているか
  • 財務状況(ローカルベンチマークの点数)はどうなっているか
  • 遂行方法とスケジュールは具体的か
  • 金融機関・ファンドのコミットメントは得られているか

6補助金の必要性

  • 自己資金や金融機関からの調達だけでは、なぜこの投資が実現できないのか
  • この補助金があることで、投資の規模やスピードはどう変わるのか

7経営者自身によるプレゼンテーション

  • 経営者ご自身が、この計画をどの粒度まで自分の言葉で語れるか
  • 外部有識者からの質疑に、その場で答えられる材料が揃っているか
  • 役員・事業責任者に任せている部分があるなら、経営者自身がどこまで把握しているか

第7章だけは、ほかの章と性格が違います。第1〜6章は書けば埋まる章ですが、第7章は書いた本人がその場で話せるかが審査されます。 事務局や外部の専門家が計画の骨格を作り、経営者は説明用に要点だけを覚える、という分担は この制度では成立しにくくなっています。第1〜6章を書く時点から、経営者ご本人が自分の言葉で 答えられる粒度に揃えておく必要があります。

4. 落ちやすいポイント

要件を満たしているのに評価されない計画には、型があります。公募要領の要件・審査項目と照らして、 特に多いものを挙げます。

投資額の下限を、外注費・専門家経費を含めて数える

投資額の下限(20億円以上、100億宣言企業は15億円以上)は、外注費・専門家経費を除いた税抜の額です。 見積りを集めてから下限に届いていないと気づくと、投資の中身から作り直すことになります。

「100億宣言企業の緩和条件」を通常の要件と混同する

投資額の下限(15億円)も賃上げ要件(4.5%以上)も、「100億宣言」を行っている企業だけの緩和条件です。 自社がどちらの区分に当たるかを先に確定させてから、数値要件を書いてください。

「補助金の必要性」を独立した章として書いていない

多くの制度では投資の効果を書けば足りますが、この制度は「自己資金や金融機関からの調達のみでは 実現が困難か」が独立した審査項目として置かれています。投資の効果の説明に埋め込まず、 単独の章として答えてください。

経営者ご本人が話せる粒度で書く

プレゼンテーション審査は経営者自身が説明する前提です。経営者の出席・説明がなされない場合、 「審査上不利になる可能性があります」と公募要領に明記されています。 第1〜6章を、経営者ご本人が話せる粒度で書いてください。

賃上げ要件の期間を勘違いする

賃上げ要件は「補助事業終了後3年間」の年平均上昇率であって、申請時点までの実績ではありません。 将来の3年間をどう積み上げるかの計画として書いてください。

加点措置を「取得済み」「該当」と断定して書く

加点措置は該当し得るものを挙げるだけで加点されるものではありません。取得・認定の状況が 伴わないまま「該当します」と書くと、事実と異なる記載になります。

投資額・賃上げの水準は公募回ごとに公募要領で確認する

この記事の数値は6次公募要領にもとづくものです。次回公募で数値が変わることがあるため、 申請する回の公募要領で必ず最新の数値を確認してください。

5. よくある質問

Q. 次の公募にはいつから申請できますか?

A. 6次公募(2026年7月31日〜2026年8月31日17:00)は締切済みです。次回公募の日程は、2026年9月19日時点で公表されていません。次回の日程は公表され次第、事務局サイトでご確認ください。

Q. 投資額20億円には何が含まれますか?

A. 対象経費の合計額(税抜)で、外注費・専門家経費は含みません。「100億宣言」を行っている企業は、この下限が15億円に緩和されます。

Q. 賃上げ要件はいつの実績で見られますか?

A. 補助事業終了後3年間の、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率で見られます。通常は5.0%以上、「100億宣言」企業は4.5%以上です。将来の3年間の話であって、申請時点の実績ではありません。

Q. 経営者が出席しなくてもプレゼンテーション審査は受けられますか?

A. 受けられますが、公募要領には経営者の出席・説明がなされない場合「審査上不利になる可能性があります」と明記されています。役員や事業責任者の同席は可能ですが、審査で話すことが前提とされているのは経営者自身です。

Q. スタートアップ枠とはどのような枠ですか?

A. 設立20年以内の企業を対象にした枠です。従業員数・投資額など他の数値要件は公募回によって細目が変わることがあるため、該当する場合は公募要領の当該箇所を必ず確認してください。

Q. 成長投資計画は自分で書かないといけませんか?

A. 申請者本人による作成が基本です。2026年施行の改正行政書士法により、報酬を得て申請書類の作成を引き受けられるのは行政書士に限られることが明確化されました。自分で書く場合は、この記事の章立てに沿って材料を揃え、足りない点を整理してから書き始めると進めやすくなります。

6. 自分で書く人の次の一歩

順番は、6つの審査の観点を確認する → 材料を対応表で揃える → 章ごとの問いに答える → 経営者自身が第7章(プレゼンテーション)を話せる粒度になっているかを確かめる、です。 次回公募でも大きな章立ての骨格は変わらない見込みですが、投資額・賃上げなどの数値要件は 公募回ごとに公募要領で確認してください。

申請書はご自身で作成いただきます。いまの材料で何が足りないかは、論点整理レポートで確認できます。

この制度の審査の観点・公式リンクは制度ページにまとめてあります。論点整理レポートは、自社の材料を入力すると、審査の観点に照らして足りない点を整理した分析資料です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の申請可否・採択を保証するものではありません。 制度の内容・日程・要件は公募回により変わります。申請にあたっては必ず公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。 出典:中堅・中小企業の大規模成長投資補助金 事務局サイト、6次公募要領・審査項目(2026年9月19日確認)。