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翻訳・多言語化は補助金の対象になるのか公募要領に名前は1件も出てきません。それでも「対象外」ではない理由

更新日:2026-09-16補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。

要点

  • デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領に「翻訳」「多言語」「通訳」は1件も出てきません。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠の本文を機械検索した結果です(2026年9月16日確認)。
  • それでも「対象外」という意味にはなりません。この制度は用途を列挙せず、事務局に登録されたITツールかどうかで決める作りだからです。会計ソフトも勤怠ソフトも、要領に名前は書かれていません。
  • 判定の入口はITツール検索に登録があるかどうかの一点です。 そのうえで、ソフト本体は最大2年分、機能拡張は最大1年分と期間が分かれます。
  • 翻訳という作業そのものの外注費は、この制度では出ません。多言語のウェブサイトを作る費用なら、持続化補助金に別の道があります。

1. 制度ごとの結論

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)登録があれば対象になり得る

公募要領に「翻訳」「多言語」という語は1件も出てきません。この制度は個別のソフトの用途を列挙せず、事務局に登録されたITツールかどうかで決める作りだからです。したがって、使いたい翻訳ソフトの登録があるかどうかが判定の入口になります。

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小規模事業者持続化補助金(一般型)ウェブサイトなら別の費目で入り得る

ソフトの利用料ではなく、多言語のウェブサイトやパンフレットを作る費用という形であれば、ウェブサイト関連費や広報費で拾える道があります。ただし上限があり、ウェブサイト関連費だけでは申請できません。詳しくは広告宣伝費の記事にまとめています。

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中小企業省力化投資補助金(一般型)この目的では噛み合いません

省力化、つまり人手不足への対応を目的とした設備投資の制度です。多言語化は接客や販路の話なので、この制度の目的とは向きが違います。翻訳作業を人がやっていた工程を機械に置き換える、という組み立てができる場合は別ですが、機械装置等の設備投資が1つ以上・単価50万円(税抜)以上という要件があるため、ソフトの利用料だけでは届かないことが多くなります。

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どの制度でも、登録されたITツールとして申請し、審査で採択されて初めて補助金が出ます。対象になり得ることと、実際に出ることは別です。

2. 要領に「翻訳」「多言語」は出てきません

通常枠の公募要領(54ページ)、インボイス枠の公募要領(45ページ)、セキュリティ対策推進枠の公募要領(41ページ)の 本文テキストを取り出して、語の出現件数を数えました(2026年9月16日確認)。

通常枠インボイス枠セキュリティ対策推進枠
翻訳0件0件0件
多言語0件0件0件
通訳0件0件0件
外国語0件0件0件
インバウンド0件0件0件

ここで多くの記事が止まってしまい、「書いていないので対象外です」または 「翻訳ソフトにも使えます」のどちらかに振れます。どちらも、この制度の決め方を見ていません。

3. ★「書いていない」は「対象外」ではありません

公募要領は、補助対象経費をこう定めています。

補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする。出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠・PDF)

用途ではなく、登録の有無で決まる書き方です。だから要領には「会計ソフト」も「勤怠管理」も「翻訳」も個別には出てきません。 名前が無いこと自体は、翻訳ソフトについて何も言っていないのです。

制度によって、決め方が逆になります

持続化補助金や省力化投資補助金は、対象になる経費・ならない経費を費目で例示する作りです。そちらでは 「例示に無いから対象になる」とは言えません。当サイトの太陽光・蓄電池の記事では、まさにその逆向きの注意を書いています。制度ごとに決め方が違うので、「書いていない」の意味も変わります。

4. 翻訳は、どの分類に当たり得るか

公募要領は、補助対象になるITツールを3つに分けています。

本事業において補助対象となるITツールは、大分類I「ソフトウェア」、大分類II「オプション」、大分類III「役務」の3つのいずれかに分類される。出典:同 公募要領(通常枠・PDF)

翻訳・多言語化がどこに当たり得るかを整理すると、こうなります。どの分類として登録されているかで、補助の対象になる期間が変わります。

大分類カテゴリー翻訳・多言語化との関係
大分類I ソフトウェアカテゴリー1(ソフトウェア)翻訳機能を持つソフトウェアそのもの。買取形式のほか、月額・年額のサブスクリプション販売形式は最大2年分が補助対象。
大分類II オプションカテゴリー2(機能拡張)いま使っているシステムに多言語表示や翻訳の機能を足す形。★最大1年分が補助対象で、ソフトウェア本体とは期間が違います。
大分類II オプションカテゴリー3(データ連携ツール)/カテゴリー4(セキュリティ)翻訳とは別のオプションです。
大分類III 役務カテゴリー5〜7(導入コンサルティング/導入設定・マニュアル作成・導入研修/保守サポート)★翻訳という作業そのものは、ここに入りません。大分類IIIの補助対象経費は合計200万円が上限で、カテゴリー6・7はカテゴリー1と対になっている場合のみ申請できます。

とくに見落としやすいのがカテゴリー2(機能拡張)の「最大1年分」です。 いま使っている予約システムやECに多言語表示を足す形は、本体のソフトウェアではなく オプションとして登録されていることがあり、その場合は補助の対象になる期間が半分になります。 見積を2年分で組んでいると、そこが合わなくなります。

5. ★翻訳「作業」の外注費は出ません

ここが、この語で検索して来る方にいちばん効く一点だと考えています。 役務として登録できるのは、カテゴリー5(導入コンサルティング・活用コンサルティング)、 カテゴリー6(導入設定・マニュアル作成・導入研修)、カテゴリー7(保守サポート)の3つです。翻訳という作業そのものは、このどれにも当たりません。

つまり「翻訳会社に依頼して自社サイトを英語化した費用」を、 この制度のITツール導入費として申請する形にはなりません。 出るのは翻訳の機能を持つソフトウェアの導入費用であって、 人が訳す作業の対価ではない、という線です。

なお、カテゴリー6と7はカテゴリー1(ソフトウェア)と対になっている場合にだけ申請できます。役務だけを単独で申請することはできません。大分類IIIの補助対象経費は、合計200万円が上限です。

6. ウェブサイトの多言語化なら、別の道があります

ソフトの利用料ではなく「多言語のウェブサイトを作る費用」という形にできるなら、小規模事業者持続化補助金に受け止める費目があります。 ウェブサイト関連費と広報費です。

ただし、どちらにも上限があり、ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。金額の条件と、対象外になる例(会社案内・求人広告など)は、広告宣伝費は補助金の対象かに公募要領の原文つきでまとめています。多言語化を広報の一部として組み立てる場合は、 先にそちらをご覧ください。

同じ「多言語化」でも、入口が2つあります

翻訳ソフトを導入するのか、多言語のウェブサイトを作るのか。この2つは別の制度・別の費目になります。どちらで組み立てるかを最初に決めないと、見積の集め方から変わります。 両方まとめて1つの申請にする形は、基本的にできません。

7. 契約は交付決定を待ってください

翻訳ソフトは月額のサービスが多く、無料で試してからそのまま有料に切り替えてしまいがちです。交付決定の前に契約・発注したものは補助対象になりません。試用から有料契約へ自動で移行する設定になっていないかも、あわせてご確認ください。

この線については補助金はいつから対象になるのかに詳しく書いています。

8. 確かめ方は、ひとつだけです

事務局のITツール・IT導入支援事業者検索で、使いたい製品名を入れて検索してください。ここに出てくるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、採択を受けたITツールとして申請できるものです。ここに出てこない製品は、その回の公募では対象になりません。 登録は公募回ごとに入れ替わり、同じ製品でも登録している支援事業者がいなければ対象外です。当サイトは対象製品の一覧を掲載しません。載せた時点で古くなるからです。

検索で見つかった場合は、それがカテゴリー1(ソフトウェア)なのかカテゴリー2(機能拡張)なのかも、あわせて支援事業者にご確認ください。補助の対象になる期間が変わります。

申請書はご自身で作成いただきます。いまの材料で何が足りないかは、論点整理レポートで確認できます。

公募要領の審査の観点に照らして、事業計画のどこが埋まっていないかを論点として整理します。

デジタル化・AI導入補助金の制度ページを見る

9. 落ちやすいポイント

「翻訳」で要領を検索して、無いから諦める

この制度は用途を列挙しません。要領に名前が無いことは、判定の材料になりません。見るべきはITツール検索の登録です。

機能拡張なのに2年分で見積を組む

カテゴリー2(機能拡張)は最大1年分です。ソフトウェア本体の最大2年分と混ざりやすいところです。

翻訳会社への外注費を混ぜる

人が訳す作業の対価は、この制度のITツール導入費にはなりません。サイト制作という形にできるなら、持続化補助金のほうを見てください。

無料プランから有料へ切り替えたあとに申請する

交付決定の前に契約したものは対象外です。試用の自動更新にご注意ください。

10. よくある質問

公募要領に「翻訳」と書いていないのに、なぜ対象になり得るのですか?

この制度は、対象になるものを用途で列挙していないからです。公募要領は「補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする」としています。つまり判定の基準は用途ではなく登録の有無です。会計ソフトや勤怠ソフトも、要領に製品名は書かれていません。翻訳ソフトだけが特別に除外されているわけではない、という読み方になります。

逆に、書いていないのに対象外になることはありますか?

あります。登録がなければ対象になりません。また、設備や経費を費目で例示する型の制度(持続化補助金や省力化投資補助金など)では、例示に無いものが自動的に対象になるわけではありません。制度によって決め方が違うので、「書いていないから大丈夫」も「書いていないから駄目」も、どちらも危ない読み方です。

翻訳作業を外注する費用は出ますか?

デジタル化・AI導入補助金では出ません。役務として登録できるのは、導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートの3つのカテゴリーで、翻訳という作業そのものはここに入りません。翻訳された成果物を含むウェブサイトを作る費用という形であれば、持続化補助金のウェブサイト関連費で拾える道があります。

いま使っている予約システムに多言語表示を足したい場合は?

大分類II(オプション)のカテゴリー2(機能拡張)に当たる可能性があります。ただしカテゴリー2は最大1年分が補助対象で、ソフトウェア本体(最大2年分)とは期間が違います。また、機能拡張として登録されているかどうかは、提供する事業者が事務局に登録しているかによります。ITツール検索でご確認ください。

多言語のメニュー表や看板を作りたいのですが。

それはITツールではなく、印刷物・広報物の話になります。持続化補助金の広報費やウェブサイト関連費が窓口になり得ますが、それぞれ上限があり、ウェブサイト関連費だけでは申請できません。広告宣伝費の記事に、制度ごとの上限と対象外の例をまとめています。

使いたい翻訳ソフトが対象かどうかは、どこで分かりますか?

事務局の「ITツール・IT導入支援事業者検索」で製品名を検索する方法だけです。ここに出てくるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、採択を受けたITツールとして申請できるものです。ここに出てこない製品は、その回の公募では対象になりません。登録は公募回ごとに入れ替わり、同じ製品でも登録している支援事業者がいなければ対象外です。当サイトは対象製品の一覧を掲載していません。

11. 次の一歩

順番はこうです。①ソフトを入れるのか、サイトを作るのかを決める → ②ソフトならITツール検索で登録を確かめる → ③カテゴリー1かカテゴリー2かを支援事業者に確かめて、対象期間を確定させる → ④サイトなら持続化補助金の費目と上限を確かめる → ⑤交付決定が出るまで契約・発注しない。

同じシリーズにネットショップ・ホームページは補助金の対象か生成AIの利用料は補助金の対象かパソコン・タブレットは補助金の対象かウイルス対策ソフトは補助金の対象かがあります。

申請書はご自身で作成いただきます。

論点整理レポートは、公募要領の審査の観点に沿って、いまの材料で何が足りないかを論点として整理します。

他のガイドを読む

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局サイト「通常枠」および公募要領(通常枠・PDF)公募要領(インボイス枠・PDF)公募要領(セキュリティ対策推進枠・PDF)(いずれも確認日は2026年9月16日)。語の出現件数は、各PDFの本文テキストを抽出し 文字種を正規化したうえで数えたものです。 補助対象経費・補助率・上限額・対象になる期間は、公募回ごとに変わることがあります。 実際の申請にあたっては、必ずご自身が申請する回の公募要領をご確認ください。 特定の製品が補助対象として登録されているかどうかは、事務局のITツール検索でご確認ください。