冷蔵・冷凍設備は補助金の対象か持続化補助金は名指しで例示している。ただし「買い替え」は隣の欄に書いてある
更新日:2026-09-15|補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。
⚠ この記事が扱う範囲
中小企業向けの主要4制度について、冷蔵・冷凍設備の扱いを公募要領の原典で確かめたものです (確認日:2026年9月15日)。扱ったのは購入費と、その要件です。 個別の設備が対象になるかどうかの判断は各事務局が行います。 公募要領は版によって文言が変わります。申請の前に、必ず最新版と事務局の案内をご確認ください。
要点
- 持続化補助金は、冷凍冷蔵庫とショーケースを名指しで例示しています。ただし「生産販売拡大のための」「衛生向上や省スペース化のための」と、目的とセットの書き方です。
- ★同じ費目の「対象とならない経費例」に「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」があります。同じ冷蔵庫でも、買い替えの理由で結論が変わります。
- 残る3制度の要領には「冷蔵」「冷凍」「製氷」「厨房」の語が出てきません。判断は単価の下限と専用性の要件に戻ります。
- その単価の下限が制度でまったく違います。新事業進出は10万円、ものづくりと省力化は50万円(いずれも税抜)。 業務用の冷蔵庫1台では届かないことがあります。
- 家庭用の機器は、持続化補助金の「対象とならない経費例」に「家庭用電気機械器具」として挙がっています。
1. 制度ごとの書かれ方
このシリーズでこれまで扱った太陽光や車両は、要領の「対象外」の側に名前がありました。 冷蔵・冷凍設備は逆です。対象の側に名前が出てきます。ただし、名前が出ているからそれで決まり、という話ではありません。
単価の要件:確認した範囲では、機械装置等費に単価の下限の記載なし
出典:第20回公募 公募要領 第8版(2026年7月21日)「①機械装置等費」
生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫/衛生向上や省スペース化のためのショーケース
どちらも「対象となる経費例」に載っている文言です。ここで見落とせないのが、設備名の前に目的が書かれていることです。「生産販売拡大のための」「衛生向上や省スペース化のための」。設備の名前だけで決まる書き方にはなっていません。
単価の要件:単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必須
出典:公募要領(第22次公募)R7.10.24/最終改訂 R7.12.08「2.7.1 機械装置・システム構築費」
単価 50 万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須/専ら本事業のために使用される機械・装置
「冷蔵」「冷凍」「製氷」「厨房」のどの語も要領に出てきません。判断は単価と専用性の要件に戻ります。業務用の冷蔵庫でも、1台では50万円に届かないことがあります。
単価の要件:単価50万円(税抜)以上の機械装置等が1つ以上必要
出典:公募要領(第6回公募)2026年3月「3-1 補助対象経費」「3-2 補助対象外経費」
必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要。/汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業(補助対象外となる事業)
こちらも設備名の例示はありません。そのうえで「オーダーメイド性の無い設備を単体で導入する事業」自体を対象外の事業に挙げています。カタログから選んで1台入れる、という形とは相性がよくありません。
単価の要件:単価10万円(税抜き)以上
出典:第1回公募要領 1.2版(令和8年8月)「1-6-1 機械装置・システム構築費」
補助対象となる機械装置等は、単価10万円(税抜き)以上のものとします。/専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具
下限が10万円と、4制度の中でいちばん低く設定されています。なお、この要領には「汎用性」という語自体が出てきません。設備名の例示もありません。
2. いちばん多い事故は「買い替え」
持続化補助金の①機械装置等費は、対象となる経費例と対象とならない経費例が同じページに並んでいます。 冷凍冷蔵庫が載っているのは前者ですが、後者にはこう書かれています。
単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等
冷蔵庫の入れ替えは、壊れた・古くなったという理由で始まることがほとんどです。 その形のまま出すと、この一文に正面から当たります。 対象となる経費例の側も「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」 「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」と、 目的が先に書かれていました。要領は設備の名前ではなく、その設備で何が変わるのかを見ています。
容量が増えて仕込みの量が変わるのか、温度帯が増えて扱える商品が増えるのか、 売場に出せる面積が変わるのか。そこを説明できるかどうかが分かれ目です。 ただし最終的な判断は事務局が行いますので、見積を固める前に確認してください。
3. 単価の下限が、制度を選ぶ理由になる
冷蔵・冷凍設備でもうひとつ効いてくるのが、機械装置費の単価の下限です。4制度で揃っていません。
新事業進出:単価10万円(税抜き)以上 / ものづくり・省力化(一般型):単価50万円(税抜)以上
業務用の冷蔵庫やショーケースは、機種によっては1台50万円に届きません。 ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)は、この単価要件を満たす設備投資が必須なので、設備の性格ではなく金額で先に外れることがあります。どの制度で出すかを先に決めないと、見積の取り方すら決まりません。
省力化投資補助金には、登録された製品から選ぶ「カタログ注文型」もあります。 要領は一般型について、カタログ注文型より審査項目が多いこと、 一品一様で設計・開発された機械装置・システムの導入かどうかを見ることを説明しています。 あわせて、補助対象外となる事業として次を挙げています。
汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業
カタログから1台選んで入れる、という形は一般型の想定と噛み合いません。 どちらの型で出すのかを、最初に切り分けてください。
⚠ よくある事故
交付決定の前に契約・発注してしまうと、対象になるはずだった経費も対象外になります。 厨房設備は納期と工事日程の都合で「先に発注を」と言われやすく、ここで事故が起きます。詳しくは補助金はいつから対象になるのかをご覧ください。設置工事の扱いは店舗の内装・改装は補助金の対象かで扱っています。
4. 対象経費に入っても、採択されなければ出ない
対象経費に入ることと、採択されることは別です。補助金は申請すれば通るものではありません。 対象経費だと確認できても、審査を通って採択されなければ交付決定には進まず、支払いも起こりません。 さらに採択されたあとも、実績報告と確定検査を通って初めて支払われます。 設備は納品されてしまうと戻せないので、採択されなかった場合の資金繰りを先に決めておいてください。
5. よくある質問
業務用の冷蔵庫は補助金で買えますか?
持続化補助金の公募要領は、機械装置等費の「対象となる経費例」に「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」を挙げています。ただし目的とセットの書き方であり、同じ費目の「対象とならない経費例」には「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」が並んでいます。設備の名前だけでは決まりません。
古くなった冷蔵庫の買い替えでも使えますか?
持続化補助金は「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」を対象とならない経費例に挙げています。壊れたから同等品に替える、という形はここに当たりうる書き方です。容量や機能が変わることで何ができるようになるのかを、販路開拓の観点で説明できるかどうかが分かれ目になります。判断は事務局が行いますので、申請前に確認してください。
家庭用の冷蔵庫を店舗で使う場合はどうですか?
持続化補助金の「対象とならない経費例」には「家庭用電気機械器具・その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの」が挙がっています。ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)にも「汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費」を対象外とする記述があります。
製氷機は対象になりますか?
持続化補助金の機械装置等費は、対象となる経費例・対象とならない経費例のどちらにも製氷機を挙げていません。他の3制度の要領にも「製氷」の語は出てきません。要領に書かれていない以上、当サービスが判断できる事柄ではありません。事務局に問い合わせて回答を記録に残してください。
設置工事や電源工事は一緒に申請できますか?
ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)は「設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用」を補助対象外としています。機械本体と工事は最初から分けて見積を取ってください。詳しくは店舗の内装・改装の記事で扱っています。
対象経費に入っていれば、補助金は必ずもらえますか?
いいえ。対象経費かどうかと、採択されるかどうかは別の話です。どの制度も申請すれば全件が通るわけではなく、審査を経て採択されたものだけが交付決定に進みます。さらに採択されたあとも、実績報告と確定検査を通って初めて支払われます。
6. どの制度で出すかを先に決める
冷蔵・冷凍設備は、名前が要領に出てくるぶん「使えます」という案内も多い領域です。 ただ実際には、目的の書き方と単価の下限で結論が変わります。 どの制度のどの枠を狙うか、審査で何が問われるかを先に整理しておくと、業者への依頼の仕方から変わります。 当サービスの論点整理レポートは、その論点を整理した分析資料をお出しするものです(申請書の作成代行ではありません)。
同じ考え方で調べた記事:店舗の内装・改装/車両・運搬具/太陽光・蓄電池
出典
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第22次公募)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第6回公募)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募要領
本記事は2026年9月15日時点の各公募要領にもとづく整理です。制度の内容・対象経費は公募回ごとに変わります。 最終的な採否と経費の可否は各事務局の判断によります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。