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予算・制度動向

令和9年度の概算要求から読む、2027年度の補助金何がどう変わりそうか、そしていつ確定するか

更新日:2026-09-03補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。

この記事の情報は、まだ決まったことではありません

概算要求は、各省庁が財務省に出す「来年度こうしたい」という要求です。金額も要件もここから変わります。 この記事では、項目ごとに要求段階などの段階ラベルを付けています。ラベルの意味は末尾の凡例をご覧ください。

要点

  • 中小企業・小規模事業者関係の要求は、経済産業省の「賃上げ起点の成長戦略と地域産業クラスター形成」に 1兆3,841億円。
  • 主要4補助金(成長加速化/省力化・デジタル化・AI投資/持続化/M&A・事業承継)は、 中小機構の運営費交付金(要求 6,980億円)にまとめて計上されています。 1制度ごとの内訳は資料にありません。
  • 名前で目を引くのは「省力化・デジタル化・AI投資補助金」。 いま別々の2制度を、1つの枠組みとして書いています。
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業は要求 2,200億円。売上高10億円を目指す宣言の要件化が書かれています。
  • 確定するのは12月の予算案と、その後の公募要領。いまは準備の材料を揃える時期です。

1. 「制度が変わる」情報は、いつ・どこで出るのか

補助金は予算で決まります。だから「変わる」情報も予算の流れに沿って、少しずつ確からしくなっていきます。 この順番を知っていると、SNSで流れてくる情報が「どのくらい確かなのか」を自分で判断できます。

時期何が起きるか確度中身
8月末概算要求要求段階各省庁が財務省に要求を出す。来年度の制度の姿が初めて表に出る。いまはここ。
11〜12月経済対策・補正予算補正予算実務上、補助金の多くはここで措置される。新設・拡充が実質的に決まる場面。
12月下旬政府予算案の閣議決定予算案金額と事業名がほぼ固まる。ここから大きくは動かない。
翌3月末予算成立予算成立国会で成立。あとは事務局の公募を待つ段階。
年度替わり以降公募要領の公表公募開始申請の要件・締切・様式が確定する。準備の答え合わせができるのはここ。

いま(2026年9月3日時点)は、いちばん上の「概算要求」の段階です。8月末に各省庁の要求が出そろい、 中小企業向けの内容は中小企業庁が「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等のポイント」として公開しています。この記事はその資料を読んで書いています。

2. 制度ごとに、要求段階で分かっていること

金額の見方に注意が必要です。主要な4つの補助金は、中小機構の運営費交付金という1つの費目に まとめて計上されており、制度ごとの内訳は資料に書かれていません。 「◯◯補助金に6,980億円」と書いてある記事を見かけたら、それは読み違いです。

要求段階

省力化・デジタル化・AI投資補助金

要求額:中小機構の運営費交付金(要求 6,980億円)に他の3補助金とまとめて計上。個別の内訳は資料に記載なし

AIを含むデジタル技術の活用と、省力化設備の導入を「一体的に支援」する事業として書かれています。いまは省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金が別々の制度ですが、この名称は両者を1つの枠組みで扱う姿を示しています。統合するとは資料に明記されていません。

要求段階

新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業

要求額:要求 2,200億円(前年度は既存基金の内数で実施)

革新的な製品・サービス開発や、海外を含む新市場への進出に係る設備投資などを支援。資料には、売上高10億円を目指す宣言を原則として要件化する旨が書かれています。いまの第1回公募にこの要件はありません。

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要求段階

小規模事業者持続化補助金

要求額:中小機構の運営費交付金(要求 6,980億円)に含めて計上。個別の内訳は資料に記載なし

商工会・商工会議所の支援を受けながらの販路開拓支援という骨格は変わりません。資料には「成長志向の経営計画(仮称)」を宣言することが新たな要素として書かれています。

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要求段階

中小企業成長加速化補助金

要求額:中小機構の運営費交付金(要求 6,980億円)に含めて計上。個別の内訳は資料に記載なし

売上高100億円超を目指す企業の大胆な投資を支援する枠組みが続きます。賃上げ・輸出・地域経済への波及が政策目的として挙げられています。

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要求段階

M&A・事業承継補助金

要求額:中小機構の運営費交付金(要求 6,980億円)に含めて計上。個別の内訳は資料に記載なし

M&A・事業承継時の設備投資と、M&A・PMIの専門家活用費用等の支援が挙げられています。制度の骨格に大きな変更は資料に記載なし。

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要求段階

サプライチェーン形成支援補助金

要求額:要求 2,376億円(うち1,376億円は後年度負担分)

地域の産業クラスター形成に向けたサプライチェーン構築の投資支援。当サイトはこの制度に対応していません(規模が大きく、対象が限られるため)。

3. この要求から読み取れること

省力化とデジタル化・AIが、1つの名前になりました。いまは中小企業省力化投資補助金と、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が別々の制度です。 要求では「省力化・デジタル化・AI投資補助金」として、AIを含むデジタル技術の活用と省力化設備の導入を 一体的に支援すると書かれています。統合するとは明記されていませんが、 設備とソフトを分けて考える前提は薄れていく方向に見えます。

「宣言」が要件に入ってきています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業では売上高10億円を目指す宣言、 小規模事業者持続化補助金では「成長志向の経営計画(仮称)」の宣言。 いずれも要求段階の話ですが、共通しているのは成長の意思を先に表明させ、その計画に沿って支援するという設計です。 事業計画に「うちはどこまで伸ばすのか」を数字で書く準備は、どの制度でも効いてきます。

賃上げは今年も軸のままです。資料の柱立ての先頭は賃上げの後押しで、価格転嫁・取引適正化がそれに続きます。 いまの各制度でも賃上げは基本要件になっており、この位置づけは当面変わらないと読めます。

4. いま何をしておくか

制度が確定していない段階で「来年度の申請準備」はできません。できるのは、 どの制度になっても使う材料を揃えておくことです。公募開始から締切までは1〜2か月しかないことが多く、 そこから決算書を探し始めると間に合いません。

  • 直近3期の決算数値(営業利益・人件費・減価償却費)。付加価値額の計算に必ず使います
  • 賃金台帳と、賃上げをどこまでやるかの見通し。ほぼすべての制度で要件になっています
  • 設備・システムの見積。金額の根拠がないと計画が書けません
  • 既存事業の課題と、新しい取組が何を変えるのかの対比
  • 自社の売上をどこまで伸ばすのかの数字と、その理由(「宣言」型の要件に効きます)

いまの制度で、材料が足りているか確かめる

論点整理レポートは、いま公募している制度の審査の観点に照らして、 手元の材料で何が足りないかを整理した分析資料です。申請書はご自身で作成いただきます。対応している制度を見る

5. よくある質問

Q. 概算要求に載っていれば、その補助金は来年も必ずありますか?

A. いいえ。概算要求は各省庁が財務省に出す「要求」で、金額も内容もここから変わります。実際に使えるようになるのは、補正予算や政府予算案を経て予算が成立し、事務局が公募要領を公表してからです。要求に載った事業が縮小したり、名称が変わったりすることは珍しくありません。

Q. 省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金は統合されるのですか?

A. 令和9年度の概算要求には「省力化・デジタル化・AI投資補助金」という名称で、AIを含むデジタル技術の活用と省力化設備の導入を一体的に支援する事業が書かれています。ただし、既存の2つの制度を統合するとは資料に明記されていません。現時点では「1つの枠組みで扱う姿が示された」までが確かなところです。

Q. 「売上高10億円を目指す宣言」はいま申請する場合も必要ですか?

A. 必要ありません。これは令和9年度の概算要求に書かれている内容で、現在公募中の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募の要件ではありません。いま申請する方は、公募要領に書かれている要件(付加価値額・賃上げ・事業場内最低賃金)に沿って準備してください。

Q. 来年度の補助金に向けて、いま何を準備すればよいですか?

A. 制度が確定していない段階でできるのは、どの制度でも共通して求められる材料を揃えておくことです。直近3期の決算数値、賃金台帳と賃上げの計画、設備投資の見積、既存事業の課題と新しい取組の対比。これらは制度が変わっても使えますし、公募開始から締切までの期間は短いことが多いので、先に揃えておくほど有利になります。

6. 段階ラベルの凡例

この記事の各項目に付けたラベルの意味です。段階が上がるたびに、この記事を更新します。

要求段階省庁が財務省に出した要求。金額も要件もこれから変わります
補正予算補正予算に盛り込まれた段階。実施はかなり確からしい
予算案政府予算案に入った段階。国会審議は残ります
予算成立予算が成立した段階。あとは事務局の公募を待つ
公募開始公募要領が公表され、申請の条件が確定した段階

申請書はご自身で作成いただきます。いまの材料で何が足りないかは、論点整理レポートで確認できます。

来年度の制度を待つあいだも、いま公募している制度で準備を進めておくことはできます。