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新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の事業計画書の書き方3つの枠の見分け方、基本要件、章立てと落ちやすい点(2026年 第1回公募)

更新日:2026-09-03補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。

この記事でわかること

  1. 1 この制度で審査・確認されること(3つの枠と基本要件)
  2. 2 書く前に揃える材料(要件と材料の対応表)
  3. 3 事業計画書の章立てと、各章で答える問い
  4. 4 落ちやすいポイント
  5. 5 よくある質問/自分で書く人の次の一歩

2026年新設の制度で、第1回公募は 2026年9月30日 受付開始、10月30日(金)18:00 締切です(2026年9月3日時点の事務局公表)。この記事は公募要領(第1回)と事務局サイトを2026年9月3日に確認して書いています。 日程・要件は変わることがあるので、申請前に必ず公式サイトで最新版をご確認ください。

1. この制度で審査・確認されること

この補助金は、技術的に革新性のある製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新しい市場への進出、 海外市場の開拓に向けた国内体制の強化を支援する制度です。ものづくり補助金や、以前の新事業進出補助金とは 別の制度として2026年に新設されました。審査は書面審査と口頭審査の2段階で、 書面審査の具体的な観点は公募要領とは別に事務局サイトで「審査観点補足資料」として公開される とされています(2026年9月3日時点では未掲載)。

とはいえ、公募要領を読めば「何を見られるか」の骨格は分かります。大きく3つです。申請枠に本当に当てはまるか基本要件(付加価値額・賃上げ・最低賃金)を満たす計画か公募要領が「事業計画書に書け」と指定している項目が揃っているか。 順に見ていきます。

1-1. 3つの申請枠 — どれに当たるかを最初に決める

枠の選択は、計画の中身より先に決まる「入口」です。枠を間違えると、どれだけ計画が良くても土俵に乗りません。 公募要領は枠ごとに「該当しないもの」を明記しているので、そこから逆に読むのが確実です。

対象になる取組該当しないもの(公募要領の明記)
革新的新製品・サービス枠自社の技術を活かし、顧客に新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発既存製品の単なるプロセス改善。同業他社で既に相当程度普及している製品・サービス
新事業進出枠新製品等の「新規性」と「新たな市場」の両方を満たす進出。 新規性はその企業にとっての新しさで足りる単なる製造量の増加、既存製品の再製造、商圏の変更だけ
グローバル枠自社製品を活用した自発的な新規海外販路の開拓。 補助対象は国内の製造等拠点の強化取引先主導の輸出

迷いやすいのは「新規性はあるが、売る相手は今までと同じ」というケースです。これは新事業進出枠の 「新たな市場」を満たさないので、革新的新製品・サービス枠で出せるかを検討することになります。 逆に「売る相手は新しいが、製品は既存品のまま」は、どの枠にも当たりにくい取組です。 新事業進出枠の「新市場・高付加価値事業」の考え方は、事務局が解説資料を公開しています (資料ダウンロード)。

1-2. 基本要件 — 数字で満たす3つの条件

どの枠でも共通の基本要件があります。公募要領(第1回)の記載は次のとおりです。

  • 付加価値額の年平均成長率が 4.0%以上 増加する見込みの事業計画を策定し、達成すること(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)
  • 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を 3.5%以上 増加する見込みの事業計画を策定し、達成すること
  • 毎年、事業場内最低賃金が、補助事業実施場所の都道府県の地域別最低賃金より 30円以上高い水準であること

このほか、金融機関から資金提供を受けて補助事業を行う場合は「金融機関による確認書」が必要です (自己資金のみなら不要)。認定経営革新等支援機関の助言を受けることは差し支えないとされていますが、 義務ではありません。補助率・補助上限は枠と従業員数で変わるので、本文では触れません。公募要領(PDF)の表で自社の区分を確認してください。

1-3. 公募要領が「事業計画書に書け」と指定している項目

公募要領は、事業計画書に必ず含めるべき項目をいくつか指定しています。要件を満たしていても、 これが抜けていると「書いていない」と読まれます。

  • 付加価値額の目標値の設定理由(なぜその水準に置けるのか)
  • 賃上げの目標値と、従業員等への表明内容
  • 外注先・専門家を使う場合の選定理由
  • 補助事業の成果に関する特許等の出願予定
  • 新製品等の売上見込み

「審査観点補足資料」「事業計画書作成要領」は公開待ち

公募要領(第1回)は、書面審査の具体的な観点と、事業計画書への記載事項の詳細を、それぞれ別資料として 事務局サイトで公開するとしています。2026年9月3日時点では掲載されていません。公開されたら、 この記事の章立てをその資料の並びに合わせて読み替えてください(更新次第、この記事も直します)。

2. 書く前に揃える材料 — 要件と材料の対応表

書き始めてから材料を探すと、途中で止まります。要件のひとつひとつが「どの材料で証明されるか」を 先に対応づけておくと、足りない材料が書く前に分かります。

審査・確認される点なぜ見られるか用意する材料
付加価値額 年平均 +4.0%以上基本要件。目標値だけでなく「設定理由」の記載が求められる直近3期の決算書(営業利益・人件費・減価償却費)と、新事業の売上・原価の見込み
1人当たり給与支給総額 年平均 +3.5%以上基本要件。賃上げの目標値と、従業員への表明内容が求められる賃金台帳・従業員数の推移、賃上げ計画と、それを従業員に示した(示す)文書
事業場内最低賃金 = 地域別最低賃金 +30円以上(毎年)基本要件。実施場所の都道府県の最低賃金が基準実施場所の地域別最低賃金と、自社の最低時給の一覧(要件確認書の様式が公開されている)
申請枠の該当性(3枠のどれか)枠を誤ると土俵に乗らない。枠ごとに「該当しないもの」が明記されている既存事業と新事業の対比表(製品・顧客・市場・技術の何が違うか)
売上見込み・外注先の選定理由・特許等の出願予定公募要領が事業計画書への記載を求めている項目顧客×単価×数量の積み上げ、見積書、外注・専門家の候補と選定理由、知財の状況
補助事業実施期間内の完了革新的新製品・サービス枠は交付決定から10か月、他の2枠は14か月以内設備の納期・工事・開発の月次スケジュール(検討用フォーマットの「スケジュール」)

事務局は「補助事業計画検討用フォーマット」を4種類(事業計画/財務情報・収益計画/ 資金調達表・補助対象予定経費/スケジュール)公開しています(資料ダウンロード)。材料が揃っているかの確認は、 このフォーマットの空欄を埋められるかで判断するのが早い方法です。

材料が足りているか、先に確かめたい方へ

当サービスの論点整理レポートは、この制度の審査の観点に照らして、いまの材料で何が足りないかを整理した分析資料です。 申請書はご自身で作成いただきます。作成例を見るこの制度のページ

3. 事業計画書の章立てと、各章で答える問い

ここでは「書き写せる文例」は載せません。文例をなぞった計画書は、審査する側から見るとすぐに分かりますし、 自社の事業の説明にならないからです。代わりに、各章で答えるべき問いを置きます。 問いに自社の言葉で答えていけば、章が埋まります。

1事業者の概要と現状

  • いま何を、誰に、どう売っている会社か(既存事業の輪郭)
  • 強み(技術・顧客基盤・立地・人材)は何で、それは数字や実績で裏づけられるか
  • 既存事業が抱える課題は何か。それは今回の取組でどう解けるか

2取組の内容と、選んだ枠の根拠

  • 開発する製品・サービス(または輸出に向けた国内体制の強化)は具体的に何か
  • 既存事業と何が違うか。製品/顧客/市場/技術のどれが新しいか
  • その違いは、選んだ枠の要件(新規性・新たな市場・自発的な海外開拓)にどう当てはまるか
  • 枠ごとの「該当しないもの」(単なる増産・再製造・商圏変更、同業に普及済み、取引先主導の輸出)に当たらないと言えるか

3市場と顧客

  • 対象とする顧客は誰で、既存事業の顧客とどう違うか
  • その顧客にはどんなニーズがあり、なぜ既存の製品・サービスでは満たされていないか
  • 市場規模ではなく「自社が取れる範囲」はどれくらいか。その根拠は何か

4実施体制とスケジュール

  • 誰が何を担当するか。社内で足りない技能は外注・専門家でどう補うか(選定理由)
  • 設備の発注・納品・開発・販売開始は、実施期間(10か月/14か月)に収まるか
  • 金融機関から資金を借りる場合、確認書の取得はいつ、どの銀行に依頼するか

5収益計画と数値目標

  • 新製品・サービスの売上は、顧客数×単価×数量でどう積み上がるか
  • 付加価値額 +4.0%/1人当たり給与支給総額 +3.5%の目標値は、その売上見込みからどう導かれるか(設定理由)
  • 計画が下振れしたとき、賃上げと最低賃金の要件は守れるか

第2章の「既存事業と何が違うか」は、この制度で最も重い問いです。付加価値額や賃上げの数字は、 ここで示した違いが売上に変わる道筋がなければ根拠を持ちません。第5章の目標値の設定理由は、 第2章と第3章から導く形にすると、読み手に「つながっている」と伝わります。

4. 落ちやすいポイント

要件を満たしているのに評価されない計画書には、型があります。公募要領の要件・記載事項と照らして、 特に多いものを挙げます。

枠の取り違え

「新しい製品だが顧客は同じ」を新事業進出枠で出す、「同業ではもう普通の設備」を革新的新製品・サービス枠で出す。 どちらも中身以前の問題です。枠ごとの「該当しないもの」を、自社の取組に当てはめて一度チェックしてください。

目標値に「設定理由」がない

付加価値額 +4.0%、給与 +3.5%という数字を置いただけで、なぜその水準に置けるのかの説明がない計画書は多いです。 公募要領は設定理由の記載を明示的に求めています。新事業の売上見込みから、付加価値額がどう増え、 その一部が賃上げの原資になる、という順で書くと理由になります。

「新しさ」の誇張

新事業進出枠の新規性は自社にとっての新しさで足ります。「業界初」「世界初」と書く必要はなく、 根拠のない断定はかえって信用を落とします。既存事業との対比(製品・顧客・市場・技術の何が違うか)を 具体的に書くほうが、要件にも審査にも合っています。

売上見込みが「市場規模×シェア」だけ

市場が大きいことは、自社が売れることの根拠になりません。想定顧客の数、単価、購入頻度の積み上げと、 その顧客に届く販路(既存顧客か、新規開拓か、代理店か)を書いてください。 引き合いや試作の反応があれば、それが最も強い根拠になります。

賃上げの表明が計画書の中だけ

公募要領は、賃上げの目標値に加えて「従業員等への表明内容」の記載を求めています。 計画書に数字を書くだけでなく、従業員にどう表明したか(する予定か)まで書けるようにしておいてください。

資金調達と確認書の段取りが遅い

金融機関から資金を借りる場合、金融機関による確認書が必要です。銀行側にも事業計画を読む時間が要るので、 締切の直前に持ち込むと間に合いません。受付開始(9月30日)の時点で銀行と話が始まっていることが目安です。

実施期間に収まらないスケジュール

革新的新製品・サービス枠は交付決定から10か月以内、新事業進出枠・グローバル枠は14か月以内に 補助事業を完了する必要があります。設備の納期が長い場合や、開発に試作の反復が要る場合は、 月次のスケジュールで本当に収まるかを先に確かめてください。

交付決定前の発注は対象外

採択されても、交付決定日より前に発注・契約した経費は原則として補助対象になりません。 スケジュールは「交付決定後に発注」を前提に組んでください。

5. よくある質問

Q. ものづくり補助金や、以前の新事業進出補助金とは別の制度ですか?

A. 別の制度です。2026年に新設され、事務局サイトでも「異なる補助金」と明記されています。ものづくり補助金(第23次公募)は引き続き別に公募されています。以前の事業再構築補助金は第13回で公募を終えており、実務上はこの制度が受け皿になっています。

Q. 「新規性」は世の中で初めてのものでないとダメですか?

A. 新事業進出枠の新規性は、その企業にとっての新しさで足り、世の中における新規性までは求められていません。ただし単なる製造量の増加、既存製品の再製造、商圏を広げるだけの取組は該当しません。革新的新製品・サービス枠は別で、同業他社に既に相当程度普及している製品・サービスは対象になりません。

Q. 認定経営革新等支援機関の確認書は必要ですか?

A. 公募要領では、認定支援機関の助言を受けることは差し支えないとされていますが、義務ではありません。一方で、金融機関から資金提供を受けて補助事業を行う場合は「金融機関による確認書」の提出が必要です。自己資金だけで行う場合は不要です。

Q. 第1回公募の締切はいつですか?

A. 事務局サイトの公表(2026年9月3日時点)では、申請受付開始が2026年9月30日(水)、応募締切が2026年10月30日(金)18:00です。電子申請のみで受け付けられます。日程は変わることがあるため、申請前に必ず公式サイトで最新の日程をご確認ください。

Q. 事業計画書は自分で書かないといけませんか?

A. 申請者本人による作成が基本です。2026年施行の改正行政書士法により、報酬を得て申請書類の作成を引き受けられるのは行政書士に限られることが明確化されました。自分で書く場合は、この記事の章立てに沿って材料を揃え、足りない点を整理してから書き始めると進めやすくなります。

6. 自分で書く人の次の一歩

順番は、枠を決める → 材料を対応表で揃える → 章ごとの問いに答える → 公募要領の記載事項が揃っているか確かめる、です。 公式の検討用フォーマットに沿って埋めていけば、電子申請の入力にもそのまま移せます。

申請書はご自身で作成いただきます。いまの材料で何が足りないかは、論点整理レポートで確認できます。

この制度の審査の観点・数値要件・公式リンクは制度ページにまとめてあります。論点整理レポートは、自社の材料を入力すると、審査の観点に照らして足りない点を整理した分析資料です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の申請可否・採択を保証するものではありません。 制度の内容・日程・要件は公募回により変わります。申請にあたっては必ず公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。 出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 事務局サイトおよび第1回公募要領(2026年9月3日確認)。