経営計画書
1. 現状の分析
商業印刷を行う法人である。創業38年、従業員12名(営業3名・制作3名・印刷5名・事務1名)。 直近期の売上高は1億2,400万円、営業利益は320万円、人件費は4,900万円、減価償却費は610万円であった。
売上の内訳は、折込チラシ・ポスターなどの商業印刷が約6割、封筒・伝票などの事務用印刷が約3割、 そのほかが約1割である。
強みは、版下から印刷・加工までを社内で行えることと、小ロットへの対応である。 弱みは、営業3名のうち2名が同一の得意先を担当しており、担当が偏っていることである。
2. 環境の変化と課題
折込チラシの受注は、直近3期で減少が続いている(数量ベース、自社の受注記録による)。 一方、小ロットのパッケージ・ラベルの引き合いは増えており、直近期は前期の1.4倍の問い合わせがあった。
課題は次の3点である。
- 減少している折込チラシが、いまも売上の中心を占めていること
- 増えている小ロットの引き合いに対して、見積の作成に時間がかかり、失注していること
- 印刷5名のうち2名が5年以内に定年を迎えること
業界全体の市場規模の推移を示すデータは入力されていないため、本書では扱わない (要確認)。
3. 3年後に目指す姿
「チラシを刷る会社」から、「小ロットの印刷物を、短い納期で仕上げる会社」への転換を進める。 折込チラシの受注減少をゼロにすることは想定しない。減少分を上回る形で、 パッケージ・ラベルなど単価の高い小ロットの仕事を積み上げる。
到達点として置く指標は次のとおりである。
| 指標 | 現在 | 3年後 |
|---|---|---|
| 売上高 | 100 | 110 |
| 小ロット印刷が売上に占める割合 | 10% | 25% |
| 見積の提出までの日数 | 平均4.2日 | 2日以内 |
4. 重点施策
施策1 小ロットの見積を定型化する(1年目上期)
課題2に対応する。失注の理由として最も多いのが見積の遅さであるため、 数量・サイズ・加工の組み合わせごとに価格表を作り、営業がその場で概算を示せるようにする。 担当は営業部門とし、制作部門が原価の算定に協力する。
施策2 既存の得意先に、パッケージ・ラベルの取扱いを案内する(1年目通年)
課題1に対応する。新規開拓ではなく、すでに取引のある先への案内から始める。 折込チラシを発注している先のうち、自社商品を持つ先を営業3名で洗い出し、順に訪問する。 訪問件数を月10件と置く。
施策3 印刷工程の作業手順を記録に残す(2年目まで)
課題3に対応する。定年を迎える2名が担当している機械の段取りについて、 作業手順を文書と動画で残し、若手2名が単独で段取りできる状態にする。 担当は印刷部門の責任者とする。
5. 数値計画
| 項目 | 現在 | 1年後 | 2年後 | 3年後 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1億2,400万円 | 1億2,500万円 | 1億3,000万円 | 1億3,600万円 |
| うち小ロット印刷 | 1,240万円 | 1,700万円 | 2,600万円 | 3,400万円 |
| 営業利益 | 320万円 | (要確認) | (要確認) | (要確認) |
売上高の置き方は次のとおりである。
- 折込チラシは、直近3期の減少幅(年あたり約7%)が続くものとして減らしている。
- 小ロット印刷は、施策2の訪問(月10件)のうち、1割が受注に至るものとして置いた。 受注1件あたりの年間金額は、直近1年に受注した小ロット案件の平均値(42万円)を用いた。
営業利益の見通しは置いていない。人件費・外注費の見込みが入力されていないため、 根拠のある数値を出せないためである (要確認)。
6. 実行体制
- 施策1 営業部門(3名)が主担当、制作部門が原価の算定を担当する。
- 施策2 営業部門(3名)。訪問先の洗い出しは事務が支援する。
- 施策3 印刷部門の責任者が主担当。若手2名が受け手となる。
人員は足りていない。施策1と施策2はいずれも営業3名が担うため、 既存の受注対応と重なると進まない。上期は施策1を優先し、施策2の訪問件数は下期から立ち上げる。
7. 想定されるリスクと対応
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折込チラシの減少が想定より速い 年7%の減少を前提としているが、これを超える可能性がある。 四半期ごとに受注数量を確認し、2期続けて想定を下回った場合は施策2の訪問件数を引き上げる。
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小ロット印刷の受注が設備の能力を超える 小ロットは段取り替えの回数が増えるため、件数が伸びると印刷部門が滞る。 月あたりの受注可能件数をあらかじめ定め、超える分は納期を調整する。
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技能の引き継ぎが間に合わない 施策3が遅れると、定年時に段取りができる人員が不足する。 1年目末の時点で記録が半分に達していない場合、外部の研修の利用を検討する。