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デジタル化・AI導入補助金の事業計画の書き方旧IT導入補助金。1次締切 9月29日17時に向けた段取りと、審査で見られる点

更新日:2026-09-05補助金 論点整理レポートはAIが作成し、お客様お一人ひとりの内容を行政書士が確認するものではありません。

この記事でわかること

  1. 1 この補助金の前提(支援事業者との共同申請)と、枠・締切
  2. 2 審査で見られること(事業面・政策面)と必須要件
  3. 3 書く前に揃える材料(要件と材料の対応表)
  4. 4 事業計画の章立てと、各章で答える問い
  5. 5 加点のとり方と、落ちやすいポイント

この記事は、通常枠の公募要領(2026年8月28日公開)と事務局サイトを2026年9月5日に確認して書いています。日程・要件は変わることがあるので、 申請前に必ず公式サイトで最新版をご確認ください。

1. まず前提:この補助金は、自分だけでは申請できません

デジタル化・AI導入補助金は、2026年に「IT導入補助金」から名称が変わった制度です (事業名は中小企業デジタル化・AI導入支援事業)。旧称で覚えている方が多いと思いますが、同じ制度です。

他の補助金といちばん違うのは、IT導入支援事業者(ITベンダー)との共同申請が前提だということです。 補助の対象になるのは、事務局に登録された支援事業者が提供し、あらかじめ登録されたITツールの導入費用だけ。 自社で見つけてきたソフトを勝手に買っても対象になりません。 だから作業の順番は「支援事業者とツールを決める → 一緒に事業計画を作る → 申請」になります。

はじめての方が最初にやること

GビズIDプライムの取得(マイナンバーカードがあればオンラインで最短即日)と、 IT導入支援事業者選び。この2つが終わらないと申請の入口に立てません。 締切間際に始めると、この段階で間に合わなくなります。

枠と締切(1次締切分)

枠が5つあり、複数者連携枠だけ締切が1か月違います。 自分の枠の締切を取り違えないでください。

どんな取組か1次締切
通常枠業務の効率化・デジタル化のためのITツール導入。いちばん使われる枠9月29日(火)17:00
インボイス枠(インボイス対応類型)インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの導入9月29日(火)17:00
インボイス枠(電子取引類型)受発注をデジタルで完結させる取組(取引先にアカウントを提供する形)9月29日(火)17:00
セキュリティ対策推進枠サイバーセキュリティお助け隊サービスの導入9月29日(火)17:00
複数者連携デジタル化・AI導入枠商店街や組合など、複数の事業者がまとまって取り組む場合10月30日(金)17:00

通常枠の1次締切分は、交付決定が11月9日(予定)、事業実施期間の終了が2027年4月30日17時(予定)です。 2次以降の日程は、確定した回だけが事務局のスケジュールページで公表されます。

2. 審査で見られることと、必須要件

通常枠の公募要領は、審査項目を大きく3つに分けています。事業面(経営課題を理解しているか、課題の分析とITツールの機能が噛み合っているか、 業務プロセスが高度化するか、セキュリティ対策を進めているか)、計画目標値(労働生産性の向上率)、政策面(生産性向上・働き方改革への取組、セキュリティサービスの選定、賃上げの取組)。

並びを見れば分かるとおり、最初に置かれているのは「自社の経営課題を理解しているか」です。 ツールの説明から書き始めた計画が弱く見えるのは、この順番と逆だからです。

必須要件(通常枠)

  • 労働生産性:1年後に +3%以上、 事業計画期間の年平均成長率も +3%以上(2023〜2025年に交付決定を受けた事業者は いずれも +4%以上
  • 給与支給総額:150万円以上の申請は1人当たりの年平均成長率 +3%以上(過去に交付決定を受けていると +3.5%以上)
  • 事業場内最低賃金:地域別最低賃金 +30円以上
  • 賃上げ計画の従業員への表明:交付申請の時点で済んでいること
  • 2回目以降の申請:翌事業年度以降3年間の事業計画の策定と、実行効果の報告

補助額と補助率は、5万円〜150万円未満が補助率1/2以内(最低賃金近傍の要件を満たせば2/3以内)で1プロセス以上、 150万円〜450万円以下が同じ補助率で4プロセス以上。 プロセス数の条件があるので、金額を先に決めてから中身を考えると噛み合わなくなります。

3. 書く前に揃える材料

要件のひとつひとつが「どの材料で証明されるか」を先に対応づけておくと、 支援事業者との打ち合わせが一度で済みます。

要件・審査される点なぜ見られるか用意する材料
労働生産性の向上 1年後 +3%以上/年平均 +3%以上必須要件。2023〜2025年に交付決定を受けた事業者は +4%以上直近の営業利益・人件費・減価償却費と、総労働時間(労働生産性の分母)
1人当たり給与支給総額 年平均 +3%以上(150万円以上の申請)必須要件。過去に交付決定を受けていると +3.5%以上賃金台帳と従業員数、次年度以降の昇給の見通し
事業場内最低賃金 = 地域別最低賃金 +30円以上必須要件。実施場所の都道府県の最低賃金が基準自社の最低時給と、実施場所の地域別最低賃金
賃上げ計画の従業員への表明★交付申請の時点で表明が済んでいること。あとから出せない従業員に賃上げ計画を示した(示す)文書。朝礼の記録・書面・掲示など
150万円以上の申請は4プロセス以上補助額の区分で必要なプロセス数が変わる導入するITツールが何の業務プロセスをカバーするかの一覧(支援事業者と確認)
登録されたITツール/IT導入支援事業者登録外のツールは対象にならない。共同申請が前提支援事業者名と、ツールの登録名・型番。事務局サイトで登録を確認
決算・納税の証明書類申請時に提出する法人=履歴事項全部証明書(3か月以内)・法人税納税証明書・決算書/個人=本人確認書類・所得税納税証明書・確定申告書控え

労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷ 総労働時間」で考えます。 分子だけでなく分母の総労働時間も申請時に報告するので、 いまの労働時間を把握していないと、そもそも目標値が置けません。

材料が足りているか、先に確かめたい方へ

当サービスの論点整理レポートは、この制度の審査の観点に照らして、 いまの材料で何が足りないかを整理した分析資料です。申請書はご自身で作成いただきます。作成例を見るこの制度のページ

4. 事業計画の章立てと、各章で答える問い

書き写せる文例は載せません。実際の申請は支援事業者と一緒に電子申請の入力欄を埋めていく形になりますが、その前に自分の言葉で答えておくべき問いは決まっています。 ここが埋まっていれば、打ち合わせの場で困りません。

1いまの業務と、そこで起きている問題

  • どの業務に、誰が、月に何時間かけているか
  • その時間はどこで生まれているか(転記・確認・待ち・手戻りのどれか)
  • 放っておくと何が起きるか(受注機会の損失、残業、ミスの発生率)

2導入するITツールと、課題との対応

  • そのツールのどの機能が、上で書いた時間のどこを削るのか
  • なぜ他の手段(人を増やす・運用を変える)ではなくツールなのか
  • 対象になる業務プロセスはいくつか(補助額の区分に関わる)

3労働生産性がどう上がるか

  • 削減できる時間は月に何時間か。その根拠は何か(件数×1件あたりの時間)
  • 空いた時間を何に振り向けるか(売上を増やすのか、残業を減らすのか)
  • 1年後 +3%(該当者は +4%)に届く計算になっているか

4賃上げの計画

  • 1人当たり給与支給総額を年平均で何%上げるか。原資はどこから出るか
  • 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金 +30円以上に保てるか
  • その計画を従業員にいつ・どう表明したか(交付申請の時点で必要)

5導入後の運用

  • 誰が使うのか。使えるようになるまでの研修・移行はどうするか
  • 効果をどの数字で測るか(時間・件数・エラー率)
  • 3年間の事業計画と効果報告の義務に対応できるか(2回目以降の申請は必須)

第1章と第3章がこの制度の要です。「月40時間かかっている受注入力を、転記をなくして月10時間にする」 のように、時間の話で始めて時間の話で終わると、 審査項目の並びとそのまま噛み合います。

5. 加点のとり方と、落ちやすいポイント

加点は「これから取れるもの」がある

加点項目には、認定の取得のように時間がかかるものと、申請の前に手続きすれば間に合うものがあります。 後者は締切前でも取りにいけるので、確認する価値があります。

  • クラウド製品を選ぶ、インボイス対応製品を選ぶ(ツールの選び方で決まる)
  • 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」など、国が推進するセキュリティサービスの選定
  • 「IT戦略ナビwith」の実施、IT経営サポートセンターの利用、デジタル化セカンドオピニオン
  • 省力化ナビの活用、成長加速マッチングサービスへの登録
  • 賃上げ計画(区分ごとに要件が違う)、最低賃金近傍の状況
  • 健康経営優良法人2026、えるぼし・くるみん等の認定(すでに持っていれば)

加点の対象は枠によって違うので、自分の枠のものを加点項目一覧で確認してください (資料は資料ダウンロードにまとまっています)。

減点があるのを見落とさない

この制度には減点項目があります。2022〜2025年に交付決定を受けている、インボイス枠と重複して申請している、 過去の交付決定と同じ機能・同じプロセスで申請している、加点で申告した賃上げを達成できなかった、といったものです。過去に採択されたことがある事業者ほど、要件が厳しく・減点も付くという構造なので、2回目以降の方は最初にここを確認してください。

ツールの説明から書き始めてしまう

いちばん多い形です。審査項目の先頭は経営課題の理解で、ツールの機能はその次。 「何ができるツールか」ではなく「自社のどの時間が、なぜ減るのか」から書いてください。

労働生産性の根拠が「効率化されるため」で終わっている

+3%(該当者は +4%)は必須要件なので、達成できる計算になっていることが前提です。 件数×1件あたりの時間、のように積み上げた根拠を置いてください。概算でも構いませんが、 数字の出どころは書く必要があります。

賃上げの表明を後回しにする

交付申請の時点で従業員への表明が済んでいる必要があります。 あとから「表明しました」と言うことはできないので、申請作業と同時に進めてください。

交付決定前の契約・発注は対象外

交付決定前に契約・発注したITツールは補助対象になりません。実績報告で 「契約 → 納品・導入 → 請求・支払い」の順序が確認され、順序が違うと交付決定が取り消されることがあります。 支援事業者から「先に契約しておきましょう」と言われても、交付決定を待ってください。

6. よくある質問

Q. IT導入補助金とデジタル化・AI導入補助金は別の制度ですか?

A. 同じ制度です。2026年に「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変わりました(事業名は中小企業デジタル化・AI導入支援事業)。旧称で検索しても同じ制度にたどり着きます。当サイトの制度ページのURLも従来のまま変えていません。

Q. 自分だけで申請できますか?

A. できません。事務局に登録されたIT導入支援事業者(ITベンダー)との共同申請が前提で、補助対象になるのも登録されたITツールの導入費用だけです。まず支援事業者を決め、そこと相談しながら事業計画を作る、という順番になります。

Q. AI機能があるツールなら有利になりますか?

A. AIを使うこと自体が加点になるわけではありません。審査で見られるのは、自社の経営課題を理解しているか、選んだツールの機能がその課題の解決に合っているか、労働生産性の向上計画が合理的か、という点です。AIの利用が目的化した計画は、かえって課題との結びつきが弱く見えます。

Q. 先にツールを契約してもいいですか?

A. いけません。交付決定前に契約・発注したITツールは補助対象になりません。実績報告のときに「契約→納品・導入→請求・支払い」の順序が確認され、順序が違うと交付決定が取り消されることがあります。必ず交付決定を待ってから契約してください。

Q. 1次締切に間に合わなかったらどうなりますか?

A. この制度は年内に複数回の締切が設定される運用が続いており、次の締切に申請できます。ただし公表されるのは確定した回のスケジュールだけなので、次回の日程は事務局サイトでご確認ください。GビズIDプライムの取得と支援事業者選びは、次回に向けて先に進めておけます。

Q. 賃上げの表明は何をすればよいですか?

A. 賃金引上げの計画を従業員に示すことが求められ、交付申請の時点で表明が済んでいる必要があります。書面の配布、掲示、朝礼での説明など方法は問われませんが、後から用意することはできないため、申請作業と並行して早めに済ませておくのが安全です。

7. 自分で書く人の次の一歩

順番は、GビズIDプライムを取る → 支援事業者とツールを決める → 材料を対応表で揃える → 章ごとの問いに答える → 賃上げの表明を済ませる → 電子申請、です。 1次締切(9月29日17時)まで日数がないので、支援事業者選びから始めてください。

申請書はご自身で作成いただきます。いまの材料で何が足りないかは、論点整理レポートで確認できます。

この制度の審査の観点・数値要件・公式リンクは制度ページにまとめてあります。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の申請可否・採択を保証するものではありません。 制度の内容・日程・要件は公募回により変わります。申請にあたっては必ず公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。 出典:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局サイト、通常枠 公募要領、加点項目一覧(2026年9月5日確認)。